3、カデンツァについて
協奏曲(コンチェルト)には
カデンツァがついていることがほとんどです。
カデンツァとは曲の中で
独奏楽器が伴奏をつけずに演奏する部分を
指します。
元々はソリストが即興で演奏していましたが、
段々と作曲家自身がカデンツァも
作曲するようになり、
今では作曲家の作曲したカデンツァを
演奏するスタイルが定着しています。
(曲によっては作曲家が複数のカデンツァを
作曲していることもあり、その場合は
ソリストがその中から1つ選んで演奏します)
カデンツァはオーケストラは音を出さない
完全にソリストの独奏部分です。
今までオーケストラの
色んな楽器の音がしていたのに急に静かになり
独奏楽器の技巧を活かした演奏が始まります。
この時、伴奏が気を付けたいことは
とにかく音を出さないことです!!
『オーケストラには音がないんだから
当たり前なのでは??』
と、思ったかもしれませんね😅
もちろんカデンツァの部分でオーケストラは
楽器から音を出すことはありません。
ここでいう音とは雑音です。
楽譜をめくる音、椅子の軋む音、咳払いなど…
とにかく音を出さないようにしましょう!
カデンツァの部分は
会場が独特の雰囲気に包まれます。
実際に照明が変わることはありませんが、
まるでソリストにピンスポットが
当たっているように、
会場中の人がソリストに集中するのです。
そんな中で、
オーケストラから雑音がすると目立つ!
本当に目立ちます!!
会場中の集中力が切れてしまう
可能性があるので、
カデンツァの時は音を出さないように
本当に気を付けてください!
動いても目立ってしまうので、
極力動かないでじっとしていましょう。
これはお客様の方にも気を付けてほしいな
と、思うことです。
カデンツァの部分は、客席から
咳払いや荷物をガサガサする音が聞こえても
とても気になってしまいます。
雑音は聴いている人だけでなく、
当然ソリストの集中力も削いでしまいます。
演奏中は静かに聴いて頂きたいのですが、
カデンツァの部分は特に静かに聴きましょう!
それからもう一つ、
伴奏する時にカデンツァで大事なのは
カデンツァがいつ終わるか把握しておく
ことです。
カデンツァの間はオーケストラも
ソリストの独奏を聴いています。
素晴らしい演奏を
客席より近い距離で聴けるので、
なかなか楽しい時間です。
でも、カデンツァが終わりを把握していないと
一人だけ楽器を構えるのが遅れたり、
逆に一人だけカデンツァが終わる
かなり前から楽器を構えてしまったり、と
変な目立ち方をしてしまいます。
これ、結構恥ずかしいですよ!
ほとんどの場合、カデンツァが終わる直前に
指揮者が合図を出してくれますが、
それでも自分で把握しておく方が安心です。
伴奏をする時は自分がひかない部分も、
ソロの音は覚えておきましょう。
伴奏は
自由にひけないし、思い切り音も出せないから
あんまり好きじゃない、という方も
いらっしゃるかもしれません。
私も学生の頃は苦手でしたが、
慣れてくると楽しくなってきて、
今では伴奏するのがとても好きです。
自分の楽譜を見ているだけでは
楽しくないと思いますので、
ソロが何を演奏するのかを知ってから
伴奏してみてください。
きっと、自分がソロをひくのとは違った
楽しさが感じられますよ!
それでは、また🌸
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