こんにちは。
今回も前回に引き続き、
伴奏する時に大事なこと・気を付けたいこと
についてです。
2、テンポについて
伴奏をする時はテンポはソロに合わせます。
カルテットなどの室内楽では
ソロのテンポがおかしいな、と思ったら
話し合うことはありますが、
協奏曲(コンチェルト)の場合は
ソリストの決めたテンポで演奏します。
有名な曲はどのソリストも
ほぼ同じくらいのテンポで演奏しますが、
ちょっと遅い・速いというのはよくあるので、
すぐに対応しましょう。
曲全体のテンポを合わせるのは
それほど難しくはありませんが、
気を付けないといけないのは
『この部分はちょっとゆったり』や
『ここは少し前向きに』という
細かい部分です。
同じ曲でもソリストによって
音楽の揺れ方には違いがあるので、
よく聴いて合わせましょう。
自分がソロの練習をしている時も
『ここはすごく歌いたい!!』
『このメロディはたっぷりひきたい!!』
という所がありますよね?
その部分はメトロノームできっちり合わせると
窮屈な感じがするはずです。
『テンポそのものはほとんど変えないけど、
少し音楽を揺らしたい』
という欲求は誰にでもあって、
そして人それぞれ好みが違います。
伴奏者は
ソリストの音楽の揺れの好みを感じ取って、
揺れに合った演奏をします。
楽譜に何も書いていないからと
しっかりin tempo(テンポ通りに)で演奏しても
それがいつも正しいというわけではないのが
伴奏の難しいところです。
この音楽の揺れを感じるのに大事なのは、
ソロがひく音を把握することです。
『自分がこの音をひいている時は
ソロがこんなメロディをひいている』
ということを把握していなかったら、
ソロの音楽が揺れた時に
合わせることができません。
伴奏をする場合は
自分の楽譜の練習だけではなく、
スコアを見たり音源を聴いたりして
ソロの音も覚えるようにしましょう。
音楽の揺れ以外にも
合わせないといけないポイントがあります。
それは『ブレス(息)』です。
演奏中に限らず
私達は常に呼吸をしていますが、
音楽の中では音楽に合った呼吸もしています。
弦楽器の場合は
それほど長いブレスをすることは
あまりありませんが、
管楽器や声楽の伴奏の時には注意が必要です。
管楽器や声楽は実際に自分の息を吐きながら
音を出しています。
そのため、長いフレーズの前などに
たっぷりとブレスをすることがあり、
その時は先に出てしまわないように
伴奏も少しだけ時間を取ります。
曲の流れに影響するほどの時間ではないですが
これを知らないで伴奏すると
ソロと少しズレてしまうので
ソリストにとっては非常にやりにくいのです。
ブレスについては
指揮者とソリストが練習中に
確認することが多いので、
楽譜に書き込んでおくと安心ですよ。
伴奏をする時は、
とにかくソロがひきやすいように
演奏することが大切です。
それはソリストについて行くのではなく、
ソリストと同じ音楽を表現することが
求められます。
伴奏者は音量もテンポも
ソロが表現したいことをすぐに察して、
それに合った演奏をするのです。
そのためには
ソロをよく知っている必要があります。
先程もお話しましたが、
伴奏をする時は自分の楽譜だけではなく、
ソロも音も把握しなくてはいけません。
『伴奏だから目立たないし良いや〜』
なんて思わずに、
自分がソロの時以上に勉強して挑みましょう!
それでは、また🌸
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