夏、演奏中に困ること②

こんにちは。

前回に引き続き、
今回も夏の演奏中に困ることです。

今回は本番で起きやすいことについて
お話します。


2、舞台裏と舞台の環境の違い

本番前に奏者は舞台の裏で待機しています。

ここでは舞台に上がる直前まで
音を出すことができるので、
ウォーミングアップや最後の確認をしている
奏者がほとんどです。
(舞台上でプレトークなどが行われている時は
 音は出せません)

舞台上でチューニングはしますが、
舞台裏でも軽くチューニングはしておきます。


そして、いざ本番の舞台へ!

演奏が始まり、
お客様に音楽をお届けするのですが…
演奏しながら
少しずつ違和感を感じることがあるのです。

あれ?
私の楽器の音程、狂ってる!?
舞台裏でも舞台上でも
しっかりチューニングしたのに〜!!


実は、こういうことは結構あります😢

最後のリハーサルで舞台で練習していた時は
問題なかったのに、
本番では楽器のチューニングが狂うのです。


この原因は主に
①お客様
②照明
この2つです。



どうしてお客様が原因で音程が狂うのか?
それは人間が湿気を発しているからです。

人間は呼吸と発汗で、
常に湿気を発しています。

呼気の中には必ず湿気が含まれています。

そして、汗をダラダラかいていなくても、
身体からも自然と湿気が出ています。

そのため、汗をかきやすい夏場は
特に湿度が上がりやすくなります。

数人なら問題ないのですが、
数十人、数百人となると
部屋の湿度に影響が出てくるのです。

狭い空間に人が集まると
湿度が上がりますよね?

そのため、お客様が原因の場合は
オーケストラで使う
大きなコンサートホールではなく、
ソロは室内楽などの小ホールの時が多いです。

しかも、ありがたいことなのですが、
お客様がたくさんご来場くださった時に
起こりやすいのです😭

前回もお話しましたが、
湿度が上がると音程は下がりやすいので、
気が付いたら音程がすごく低くなっています。



②の照明が原因の場合は、
逆に音程は高くなります。

何が起きているのかというと、
強い照明がずっと付いていると
照明の熱で舞台上の空気が乾燥するのです。

空気が乾燥すると音程は高くなります。



奏者が待機している舞台裏には
お客様もいないし照明も付いていないので
楽器に何も影響はありません。

でも、舞台に出ると
大きく環境が変わってしまい、
楽器に影響が出ることがあるのです。

舞台裏と舞台上の環境の違いが大きいほど
楽器に出る変化も大きくなります。

特に夏と冬は変化が大きいです。




こうなってしまったらどうしようもなくて
本当に困ってしまうのですが、
『大事な本番で音程が狂うなんて…!!』と、
演奏に集中できなくなっては
元の子もありません。

こうなってしまった時は
まずは焦らないことがとても大切です。


室内楽の本番の場合は、
今演奏している曲・楽章が終わるまでは
演奏に集中しましょう。

そして、曲や楽章が終わったら、
チューニングをして音程を合わせてください。

少人数の本番なら、
メンバーにアイコンタクトなどで状況を伝えて
楽章の合間にチューニングを挟めるので、
冷静に対処しましょう。


オーケストラの場合は、
楽章の合間にチューニングするなら
こっそり手早く行わなくてはいけません。

時間が足りない場合は、
休憩になるまでは我慢して
とにかく演奏に集中してください。


まずは焦らないこと、
そして演奏に集中することが大切です!!



音程がどれくらい下がったのか上がったのかを
自分の音をよく聞いて分析して、
周りとズレないように
音程を調整しながら演奏して、
狂ってしまった弦は開放弦の音が使えないので
左手の指番号をその場で考えて対応して…

『本番なのに音程が狂った〜😭』
なんて落ち込んでいる場合ではありません!

いつも以上に集中して、
いつもと同じ演奏をしましょう!!



時間が経てば楽器が環境に馴染むので、
このようなことになるのは
演奏会の前半がほとんどです。

休憩後の後半はいつも通りに演奏できます。

とにかく休憩まで
焦らずに今できる最善の演奏をすることに
集中しましょう!



演奏中に何かのトラブルがあることは
決して珍しくありません。

『あー、困ったなぁ』と思うことがあっても
困っていることをお客様には見せないように、
冷静に対処することが大切です。

集中して演奏できれば、
『名演だった!』なんて
言って頂けることもあります。

何があっても焦らずに、
集中して演奏しましょう!

それでは、また🌸