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三連符(三連音符)③

こんにちは。

前回に引き続き、
ヴァイオリンで三連符をひく時に
注意することについてです。


前回もお話しましたが、
続けて三連符をひくと
拍の頭のボウイングが毎回逆になります。

1つの音符を
2つか4つに分けてひくことはあっても、
3つに分けることがあまりなかった方は、
三連符を続けて何回もひいていると
弓の動かし方が混乱してくると思います。

特にアップから始まる拍を意識するのには
練習が必要です。


混乱して身体が上手く動かせなくなると、
突然、こんなことを閃くかもしれません。

『1拍に3つの音を入れるんじゃなくて、
 2拍で6つの音を入れるって考えれば
 ひきやすいんじゃない…?』

つまり、こういうことです。

『こうやって考えれば、
 拍の頭は毎回ダウンになるから
 混乱しないでひける〜!!』

ということを思い付いた方、
いるのではないでしょうか?

思い付いたことは素晴らしいです!

でも、このひき方は残念ながらダメです❌


楽譜の中に入っている音の数は同じですし、
全ての拍をダウンからひける、というのは
混乱しなくて良さそうですよね。

でも、ダウンとアップが交互に拍の頭にくる
三連符の音形とは、ひき方のニュアンスが
大きく変わってしまうのです。


三連符の場合は拍の頭を意識してひくので、
この音がよく聞こえてきます。

一方、2拍に6つの音を入れると考えた時は
これらの音がよく聞こえてきます。

三連符で演奏した時と、
聞こえる音がズレているのがわかりますか?

アップよりダウンの方がひきやすいので、
普通に演奏するとダウンの方が
よく聞こえます。

そのため、3つずつの音形に聞こえません。



ちゃんと三連符で演奏している音と
2拍に6つの音を入れて演奏している音では
ニュアンスが全く変わってしまいます。

実はこれ、アマチュアや学生オーケストラの
お手伝いに行くと、
よく耳にする間違いなんです。

一緒にひいていて
『あ、この人三連符が苦手なんだなぁ』
と、感じることがあります。

おそらく、苦手なことを克服しようと
一生懸命考えたんだろうとは思うのですが、
弓の動かし方も音の数も一緒なのに
聞いたら違いがわかってしまいます。

聞いたら違う、ということは、
作曲家の意図する音にはなっていないので、
このひき方は正しくないんですね。



三連符は最初は身体が思うように
動いてくれなくて難しいと思います。

頭も混乱しやすいので、
三連符を続けて何回もひく時は
拍の頭だけ意識して弓を動かしましょう。

全ての音をずっと意識するのは大変ですが、
拍の頭の音だけなら意識しやすいですよね。

拍の頭はダウンなのかアップなのか、
音は何をひくのか、を
よく考えながらゆっくり練習すると、
頭も身体も慣れてきて
少しずつひけるようになりますので

頑張りましょう!


いつもは二等分や四等分にしている拍を
三等分にする、というのは
聞いている人にちょっとした違和感を
感じさせます。

それが三連符の魅力です。

クラシックだけでなくポップスでも
三連符はよく使われています。

小田和正さんは曲の後半に
三連符をよく使っているなぁと思います。


その三連符の良さを活かすためにも、
拍の頭を意識して
ボウイングをしっかり練習しましょう!

それでは、また🌸