今回も音階の右手の練習についてです。
音階は最初はスラーなしで、
慣れてきたら楽譜に書いてある通りの
スラーで練習します。
音階の右手の練習では、
スラーを付けても付けなくても
気を付けなければいけないことがあります。
それは《移弦》です。
弦楽器は1オクターブ以上の音階をひく時は
弦を移動します。
(ポジション移動ができれば
同じ弦でひけますが、
最初は移弦をして音階を練習します)
移弦とは今ひいている弦から弓を移動して
他の弦をひくことですが、
このコントロールが最初は難しいです。
以前の《移弦②》でも説明しましたが、
例えばD線からA線に移弦する時は
①D線をひく
②A線に弓を移動する
③A線をひく
この順番で右腕を動かします。
とても当たり前のことのように
感じるかもしれませんが、
意外とちゃんとできないのが②です。
次の弦に弓を移動できていないのに
弓を動かしてしまうことがよくあります。
そうすると、移弦した後の音の頭が
しっかり鳴らなかったり、
移弦する前の音の途中で
次の弦の音が鳴ってしまったりするのです。
先程の写真の①②③を続けずに
一回一回弓を止めてひいてみましょう。
①D線をひいて弓を止める
②弓をA線に移動して、そこで弓を止める
③A線をひく
と、いう具合です。
この『弓を止める』というのは
やってみるとわかりますが意外と難しい!
どうしても先に弓をダウンかアップに
動かしたくなってしまいますが、
移弦が先ですよ!!
以前から何回もお話していますが、
左手が苦手な部分は
右手への意識が薄くなります。
《音階の練習②》で説明した
音階の下りで4の指が出てくる所は
特に難しいポイントですね。
この4の指を押さえる時に
左手のことばかり気にしていると、
いくら音程が正しく取れていても
間違えたように
聴こえてしまうことがあります。
その原因は
移弦する前の弦をひいてしまったり、
移弦する前とした後の両方の弦を
鳴らしてしまったり、
という移弦の失敗です。
でも、左手のことばかり考えていると
その原因に気付かずに、
ただひたすら左手の練習をしてしまい、
『何でかわからないけど上手くいかない!』
と、なってしまうのです。
とても重要なことなので
何回にも渡ってお話しますが、
音を出しているのは右手です!
音階の練習で音程の間違い以外の
変な音がした時は、
左手ではなく右手に原因があることが
ほとんどです。
移弦の失敗も
変な音を出してしまう原因の1つです。
音階で移弦が出てきたら、
自分の音をよく聞きましょう。
自分の出したい音以外の音が出てしまったら
移弦が上手くできていません。
余計な音が鳴らないように
左手ではなく右手の動きをよーく注意して
移弦の練習をしてください。
それでは、また🌸
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