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新しい曲を練習する時は⑤

こんにちは。

前回までに引き続き
新しい曲を練習する時に気を付けたいこと、
今回は弦楽器特有の注意点です。



前回までに、まず音を出す前には
調号
拍子記号
速度記号
を確認すること、
そして、実際に音を出す時には
音の高さだけでなく音の長さもしっかり取る
というお話をしました。


これらのことはヴァイオリンに限らず、
全ての楽器を演奏する時に共通しています。



ヴァイオリンの楽譜には
弦楽器特有の記号が出てきます。

特に簡単な楽譜でも必ず出てくるのが

このボウイングの記号です。

ダウンとアップを示すこの記号は
教本でもかなり早い段階で出てきますね。


教本の場合はダウンとアップを
順番にひくことが多いですが、
曲になるといつも順番通りではありません。

この楽譜も1回ダウンでひいた後は
アップが2回続きます。


ずっと教本で順番通りに練習していた方には
最初は少し難しいのではないでしょうか。


『難しいから多少違っても良いや!』
と、思うかもしれませんが、
楽譜に書いてあるボウイングには
ちゃんと意味があります。

ボウイング通りにひいた方が
音楽の雰囲気が良くなったり、
次に続く部分がひきやすくなるように
なっているので、
できるだけ書いてあるボウイング通りに
ひく方が良いのです。

『書いてあるボウイングより、
 自分で考えたボウイングの方が
 この曲には合うはずだ!!』
という、強い意志がある時は別ですが、
そうでないなら楽譜通りにひきましょう。


何度もお話していますが、
一度身体に癖がつくと直すのは難しいです。

ボウイングを無視して
曲の練習をしてしまうと、
後でとても苦労することになります。

新しい曲を練習する時は
音の高さ・長さと共に、
ボウイングも正しく練習してください。


『一緒に覚えるのは大変だから、
 一度全部音を取ってから
 その後にボウイングをつけたいです』
と、いう方もいるかもしれませんが、
その練習はあまり効率的ではありません。

まず最初に
曲の頭から最後まで音を取って、
その後にボウイングのために
また曲の頭から最後まで楽譜を読む…
という方が実際には時間がかかります。

さらに、先程もお話しましたが、
音を取る段階で何度も練習していれば
それだけ違うボウイングで練習するので、
身体は違うボウイングを覚えてしまいます。

何も覚えていない状態で
新しいことを覚えるより、
一旦覚えたことに上書きして
新しいことを覚える方が大変ですよ!


音の高さ・長さ・ボウイングを全部一緒に
確認するのは確かに大変です。

そんな時は曲の頭から最後までを
一気に確認しようとしないで、
フレーズや小節で
細かく区切って練習してみましょう。

1小節ひけるようになったから次の小節へ、
というように少しずつ進めば良いのです。

なかなか先に進まなくて
イライラしてしまうかもしれませんが、
この方が確実に
しっかりと覚えることができます。


音の高さと長さを同時に取ることと同様に
正しいボウイングを最初から付けることは
初めは難しくても
慣れれば必ずできるようになります!

新しい曲を練習する時は
音の高さ・長さだけでなく、
必ずボウイングも一緒に確認してください。

そして、ゆっくりで良いので
最初から正しい音とボウイングで
練習するようにしましょう!

それでは、また🌸