楽器のセルフケア④

こんにちは。

今回は弓の自分でできるケアについてです。



5、弓の毛

弓の毛は消耗品です。

当然、演奏すれば消耗するものなので、
演奏の頻度が高ければ消耗は速いです。

でも、弓の毛は楽器と同じように
湿気や乾燥の影響も受けるため、
演奏の頻度が低くても劣化してしまいます。



劣化を遅らせるためには
弓の張り具合をこまめに確認する
必要があります。

湿度の高い季節はしっかり弓を張っても
どんどん緩んでしまいますし、
逆に乾燥する季節は
緩めても弓はどんどん張ってしまうので、
丁度良い張り具合になっているかを
よく確認してください。

そして、たくさん張ったり緩めたりした後は
しっかりケアをしましょう。

湿度の高い時にオーケストラの練習などで
緩んでしまった弓を何度も張った後に、
家に帰ってから楽器ケースを開けると
弓がいつもの何倍も張った状態に
なっていることがよくあります。

弓を強く張った状態で放っておくと、
毛だけが劣化するだけでなく
弓の木が変形してしまうことがあるので
気を付けてください。

梅雨の時期や、乾燥する冬場は
場所によって湿度が全く違うので、
いつもより弓を張ったり緩めたりした時は
家に帰ってから弓の状態を確認しましょう!



弓の毛は張り具合だけでなく、
普段の扱い方が悪くても劣化します。



特に気を付けたいのは
弓の毛を直接手で触らないことです。

楽器のセルフケアでもお話しましたが、
楽器に残った松脂の粉末は
溶けて楽器にくっついてしまいます。

弓の毛には当然
たくさんの松脂の粉末がついていますが、
毛を直接手で触ってしまうと松脂が溶けて
弓の毛から取れなくなってしまうのです。


弓の元の部分の毛だけ変色している弓を
見ることがありますが、
これは弓を持つ時に親指が毛に触れてしまい
松脂が溶けてしまっているからです。

松脂が取れなくなってしまった部分は
音をキレイに鳴らすことはできません。

弓の毛が溶けた松脂で劣化しないように
毛には直接触らないようにしましょう。

弓の毛に松脂を塗る時や

練習の後に松脂を拭き取る時に
毛を触ってしまう方が多いので、
気を付けてください!

まだ弓がしっかり持てない子共の生徒さんは
弓の毛の部分を鷲掴みにしたりするので、
お家の練習の時は
親御さんがしっかり見てあげてくださいね。



弓は正しく扱えば長く使うことができますが
アマチュアの方でも
一年に一回くらいは毛替えをすることを
おすすめします。

毛替えは自分ではできないので、
楽器屋さんにお願いしてくださいね。

大手の楽器屋さんの場合は
数日間預けないといけない場合があるので、
本番直前に毛替えをしなくても良いように
毛替えは計画的に行いましょう。


次回も弓のセルフケアについてお話します。

それでは、また🌸