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オーケストラの楽譜(書き込み②)

こんにちは。

今回も前回に引き続き、
オーケストラの楽譜の書き込み
についてです。



4、弱音器のマーク

これは《オーケストラの楽譜④》でも
お話したマークです。

弱音器をつける時は con sordino
弱音器を外す時は senza sordino
と印刷されていますが、
演奏していると見落としやすいので
マークを書き込みます。

con sordinoの時は



senza sordinoの時は
このマークを書き込みます。

con sordinoや senza sordinoと
印刷されているすぐ近くに書いても
間に合わないことがあるので、
印刷されている文字よりも
少し前に書き込むことが多いです。




5、譜めくりを助けるための書き込み


これも《オーケストラの楽譜③》
お話しましたマークですが、
裏の奏者が楽譜を全部ひいてからめくると
次のページの演奏に間に合わない時、
書き込まれるのがV.S.(Volti Subito)です。


V.S.は『すぐにめくれ』という意味なので、
この書き込みが目に入ったら
裏の奏者は楽譜を最後までひかずに
すぐにページをめくります。

そのため、ページの右下だけではなく、
一番下の段の真ん中辺りに
書き込まれることもあります。



このV.S.と同じように 
ページをめくりやすくするために
よく書き込まれるのが小節数です。

オーケストラの楽譜というのは
とても良く作られていて、
ページの右下はめくりやすいように
休符になっていることが多いです。

しかし、ページをめくっている間に
前のページが何小節休符だったのか
わからなくなってしまうことがあります。

それを防ぐために
めくった次のページの左上に
前のページの休符の小節数を書き込みます。

この楽譜の場合は
前のページの最後の休符は8小節
ということです。

こうしておけばページをめくった後、
安心して8小節休んでから
演奏を再開することができます。


また、ページの右下に休符がなくても、
次のページの最初が休符なら、
裏の奏者は最後まで演奏してから
ページをめくることができますよね。

それがわかるように、
めくるページの右下に
次のページの休符の小節数を書き込んで
おくのです。

この楽譜の場合は
次のページは6小節休んでから
演奏を始めれば良いので、
楽譜の最後までしっかり演奏してから
落ち着いてページをめくることができます。



『ページをめくるだけなんだから、
 大したことないでしょ?』
と、思うかもしれませんが、
そんなことはありません!!

ページをめくる前とめくった後は
演奏を間違えやすい場所です。

また、
オーケストラは弦楽器奏者の人数が多いので
一人だけ変なめくり方をすると
目立ってしまうのです。

『ページをめくっている間に
 何小節休んだのかわからなくなって
 1小節早く演奏を始めてしまった』
とか
『慌ててページをめくったら
 次のページの休みが長かったので
 他の奏者はゆっくりめくっていていて
 何だか一人だけすごく目立ってしまった』
…など。

こういう失敗を本番でしてしまうと、
結構長く引きずってしまって
後の演奏に支障が出ることもあります。

そうならないために、
『ちょっと不安だな』と思った場所には 
書き込みをしておきましょう!



オーケストラの楽譜の書き込みについて、
次回も続きます。

それでは、また🌸