今回もオーケストラの楽譜に出てくる用語
についてです。
その中でも、オーケストラでよく使われる
弦楽器の奏法に関係する用語について
お話します。
5、con sordino・senza sordino
con sordino(コン ソルディーノ)と
senza sordino(センツァ ソルディーノ)は
弱音器に関する用語です。
イタリア語で
conは『〜を持って・〜と』
senzaは『〜なしで・〜抜きで』
sordinoは『弱音器』
という意味なので、
con sordinoの時は弱音器を付け、
senza sordinoの時は弱音器を外します。
楽譜には略して
『con sord.』『senza sord.』
と書かれることが多いです。
文字だけでは
見落としてしまうこともあるので、
マークを書き足すことがよくあります。
con sordinoの時は
下向き矢印を足したようなこのマーク
senza sordinoの時は
con sordinoとは反対向きのマークを
書き込みます。
ソロの曲では
あまり使う機会のない弱音器ですが、
オーケストラの曲ではよく出てきます。
弱音器は付けたり外したりする時に
大きな音が出てしまうことがあり、
曲が静かな場面では
その音はとても目立ちます。
指揮者に注意されてしまうこともあるので、
弱音器を使う時はなるべく
音を出さないように気を付けてください!
どうしても大きな音が鳴ってしまう場合は
弱音器を別のものに変えましょう。
弱音器の付け方などは
《楽譜の記号(弦楽器特有の記号②)》を
ご覧ください。
6、sul ponticello (スル ポンティチェロ)
sul ponticello は
弦楽器の奏法の一つです。
イタリア語で
sulは『上で・上に』
ponticello は『駒』
という意味で、
駒の上をひく奏法のことを指します。
正確には駒の真上ではなく、
駒の近くに弓を当てて音を出す奏法です。
レッスンでこんな所をひいていたら
『もっと真ん中をひきなさい』
と、注意されてしまう場所ですね。
駒の近くで音を出すと金属的な音が出ます。
オーケストラの曲では
敢えてその金属的な音を
求められることがあるのです。
一人で演奏すると
失敗したように聴こえてしまいますが、
大人数で演奏すると
なかなか効果的な音なんですよ!
sul ponticello の音は
《楽譜の記号(弦楽器特用の記号③)》で
ご確認ください。
sul ponticello が終わる時には
楽譜にord.もしくはP.O.と書かれます。
ord.はordinario『普通に』
P.O.は
Posizione Ordinario『普通の位置で』
の略です。
何も書かれていない時は
指揮者にどこまでsul ponticello なのかを
確認してください。
sul ponticello は慣れていないと
自然とひきやすい位置に
弓が戻ってきてしまいます。
指定された場所は
しっかり駒の近くで演奏できるように
練習しておきましょう!
次回も
オーケストラの楽譜に出てくる
弦楽器の奏法の用語についてです。
それでは、また🌸