こんにちは。
今回も近代音楽のヴィオラの曲です。
ウィリアム・ウォルトン作曲
ヴィオラ協奏曲
(参考動画)
ウィリアム・ウォルトン(1902〜1983)は
イギリス出身の作曲家です。
20世紀のイギリスを代表する作曲家ですが
ほぼ独学で作曲家になったという人物です。
器楽曲や交響曲の他に
『お気に召すまま』(1936)や
『ハムレット』(1947)などの
映画音楽も作曲しています。
このヴィオラ協奏曲は作曲されたのは1929年
ウォルトンが27歳の時の楽曲です。
20世紀を代表するヴィオラ奏者の
ライオネル・ターティスのために
作曲されましたが、
演奏を断られてしまったので
前回ご紹介した作曲家でヴィオラ奏者の
ヒンデミットが初演を務めました。
3楽章で構成されており、
演奏時間は約25分です。
近代音楽ですが
ロマン派のような美しいメロディが多く、
それでいて近代音楽の特有の前衛的な音との
融合も感じられます。
これより前の時代のヴィオラ協奏曲には
見られないほど
ヴィオラの技巧が盛り込まれており、
聴いていても見ていても全く飽きません。
ウォルトンはこの曲を1961年に改訂しており
現在演奏されるのはこの1961年版です。
バルトーク作曲
ヴィオラ協奏曲
(参考動画)
バルトーク(1881〜1945)はハンガリー出身の
作曲家・ピアニスト・民族音楽研究家です。
幼少の頃は言葉より先に音楽を覚え、
4歳で作曲をし、5歳でピアノをひき始める
という天才ぶりを発揮しています。
ブラームスに影響を受けて作曲を学びますが
自国ハンガリーやその周辺諸国の民謡を
研究・収集して、民族音楽と西洋音楽を
融合した独自の作風を確立しました。
このヴィオラ協奏曲が作曲されたのは1944年
バルトークが63歳の時の作品です。
名ヴィオラ奏者プリムローズに依頼され
手掛けた作品ですが、
バルトークが他界してしまったため
未完となってしまいました。
ヴィオラの独奏部分は完成しており、
オーケストラは部分的に残されていた
指示を基に弟子のシェルイが補筆し、
1949年に完成しました。
初演は
依頼したプリムローズが務めています。
プリムローズの演奏は聴くことができます。
ご興味がありましたら、
是非聴いてみてください!
(プリムローズ演奏
バルトーク作曲 ヴィオラ協奏曲)
3楽章で構成されており、
演奏時間は約25分です。
民族音楽研究家でもあったバルトークらしく
冒頭はどこか懐かしくなるような旋律が
ヴィオラの深い音で奏でられます。
途中、近代音楽特有の
前衛的な響きももちろんありますが、
聴きやすい旋律もかなり多く、
情熱的なヴィオラソロは
とても聴きごたえがあります。
終結部の盛り上がりなどは遺作とは思えない
力強さを感じさせる一曲です。
ヒンデミットの白鳥を焼く男
ウォルトンのヴィオラ協奏曲
バルトークのヴィオラ協奏曲の3曲は
20世紀を代表するヴィオラ協奏曲として
ヴィオラ奏者の大切なレパートリーです。
ヴィオラを勉強されている方、
興味のある方は
是非一度聴いてみてくださいね!
それでは、また🌸