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時代別おすすめの楽曲⑦

こんにちは。

今回は近代音楽のヴァイオリンの楽曲です。


近代音楽は長調や短調といった
調性がなくなり、リズムも複雑なので、
苦手な方もいらっしゃいますが、
素晴らしい曲がたくさんあるので
いくつかご紹介します!



ラヴェル作曲
ツィガーヌ
(参考動画)

この作品が作曲されたのは1924年、
ラヴェルが49歳の時の作品です。

ツィガーヌとはフランス語で
Tziganeと表記します。

Tziganeとはフランス語で『ジプシー(ロマ)』
という意味です。

前回取り上げた
サラサーテ作曲ツィゴイネルワイゼンと同様
ジプシー(ロマ)の音楽を題材にしており、
この曲もヴァイオリンの技巧が
たっぷりと盛り込まれています。


ヴァイオリンとピアノ・リュテアルの編成で
演奏するように作曲されました。

ピアノ・リュテアルとは
ピアノとチェンバロの両方の音が出せる
楽器です。

しかし、あまり普及していないため、
今はピアノで伴奏することがほとんどです。

ラヴェル自身がピアノパートを管弦楽に
編曲しているので、
オーケストラで伴奏することもあります。

演奏時間は約10分です。


冒頭の約4分はヴァイオリンの独奏で
演奏されます。
『あれ?ピアノ(オーケストラ)の人は
 ひかないの?』
と、思う程独奏が続きます。

しかし、ピアノ(オーケストラ)は
まるで今までも一緒にひいていたかのように
自然に入ってきて、
すぐにヴァイオリンと一体になります。

ピアノ(オーケストラ)が入った後は
少しオリエンタルな雰囲気が変わり、
最後は華やかに盛り上がって終わります。

ヴァイオリンの技巧と
ラヴェルの音楽の素晴らしさに
鳥肌が立ってしまうような曲です。


プロコフィエフ作曲
ヴァイオリンソナタ第2番 ニ長調Op.94bis
(参考動画)

この曲は元々フルートソナタOp.94として
1943年プロコフィエフが52歳の時に
作曲した楽曲です。

フルートソナタとしては演奏される機会が
あまりなかったようですが、この曲を聴いた
名ヴァイオリニストのオイストラフが
プロコフィエフ本人にこの曲を
ヴァイオリンソナタに編曲することを
強く勧めました。

そしてプロコフィエフは1944年に
オイストラフの助言を得ながら
ヴァイオリンソナタを完成させます。

初演はオイストラフが務め
このヴァイオリンソナタは大評判となり、
その結果、フルートソナタも頻繁に
演奏されるようになりました。


4楽章構成で、演奏時間は約25分です。


『近代音楽かー😓』と構えて聴くと
拍子抜けしてしまう程、
ロマンティックで優しい旋律で始まり、
途中、ロシアの舞踊を思わせるような
躍動的な旋律があったりと、
最後まで飽きずに聴ける一曲です。

プロコフィエフに編曲を依頼した
オイストラフの演奏も残っているので、
是非そちらもお聴きください!
(オイストラフ演奏の
プロコフィエフのヴァイオリンソナタ第2番
)


クライスラー作曲
愛の喜び (参考動画)
愛の悲しみ (参考動画)
美しきロスマリン (参考動画)

これらの曲はオーストリア出身の作曲家で
ヴァイオリニストの
クライスラー(1875〜1962)の代表曲です。

3つともヴァイオリンとピアノのための曲で
3曲を合わせて
『3つの古いウィーンの舞曲』
と呼ばれます。

テレビやCMでもよく使われているので
おそらく3曲とも聴いたことが
あるのではないでしょうか?

『これ、近代音楽なの?』と思う程、
美しく耳馴染みの良い曲ですね。


クライスラーは3歳からヴァイオリンを始め
10歳でウィーン高等音楽院を首席で卒業した
という、神童でした。

途中医学を勉強したり、陸軍に入隊したりと
ヴァイオリンから離れる時期もありましたが
退役した後は演奏家として活動します。

その時にラフマニノフと共演して、
レコーディングもしています。

クライスラー本人の演奏の録音は
残っていますので、
機会があれば是非聴いてみてください。


『愛の喜び』は
ウインナワルツの要素が取り入れられた
まさに喜びと幸せがいっぱいの曲で、
聴いているこちらも元気になるような
一曲です。
演奏時間は約3分です。


『愛の喜び』の対になる作品が
『愛の悲しみ』です。
こちらは枯葉の季節に聴きたくなるような
切ない曲ですが、
やはり軽やかなワルツです。
演奏時間は約4分です。


『美しきロスマリン』も
軽やかなワルツです。
ロスマリンとは
ハーブのローズマリーのことですが、
ウィーンではロスマリンは可愛らしい女性の
愛称としても使われるそうです。
演奏時間は約2分です。


どの曲も短いですが、
ヴァイオリンの魅力が存分に楽しめる
名曲です!


次回は近代音楽のヴィオラの曲です。

それでは、また🌸