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時代別おすすめの楽曲⑥

こんにちは。

今回は国民楽派
ヴァイオリン・ヴィオラの曲です。


まずはヴァイオリンの曲から。



シベリウス作曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.47
(参考動画)

この作品が作曲されたのは1903年
シベリウスが38歳の時の作品です。

しかし、1905年にシベリウスは
ブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴き
衝撃を受け、自分のヴァイオリン協奏曲を
改訂しました。

現在演奏されているものはこの改訂版です。


フィンランドで最も偉大な作曲家
と、称されるシベリウスは
若い頃ヴァイオリニストを目指しましたが、
あがり症だったために断念してしまったと
言われています。

そんなシベリウスが唯一作曲した協奏曲が
このヴァイオリン協奏曲です。


3楽章構成で演奏時間は約35分。


1楽章の冒頭はシベリウスが
『極寒の澄み切った北の空を、
 悠然と滑空する飛ぶ鷲のように』
と、述べているように、
冷たさを感じさせながらも透明感があり、
どこか儚げで切なくなるヴァイオリンソロで
始まります。

独奏楽器としてのヴァイオリンの魅力が
いっぱい詰まった曲ですが、
ヴァイオリンソロでだけが目立つのではなく
オーケストラとしっかり融合していて、
交響曲のような雰囲気もあります。


現在では四大ヴァイオリン協奏曲と並んで
演奏やレコーディングの機会の多い
大変人気のある作品です。


サラサーテ作曲
ツィゴイネルワイゼン Op.20
(参考動画)

サラサーテ(1844〜1908)はスペイン出身の
作曲家でヴァイオリニストです。

神童と呼ばれ、初の演奏会はなんと8歳!
パガニーニ以来の巨匠と称されました。

サン=サーンスやブルッフから曲を献呈され
その初演を務め、
その卓越した技術は
ブラームスやチャイコフスキーに
大きな影響を与えた
と言われる大スターです。


サラサーテの作品は
ヴァイオリンと管弦楽のためのものが
ほとんどで、
その中でも一番有名なのが
ツィゴイネルワイゼンです。

ツィゴイネルワイゼンは
ドイツ語でZigeunerweisenと表記します。

zigeunerは『ジプシー(ロマ)』
weizenは『旋律』で、
Zigeunerweisenは『ジプシー(ロマ)の旋律』
という意味の楽曲です。

その名の通りジプシー(ロマ)の音楽を題材に
作曲された、
1878年、サラサーテが34歳の時の作品です。


おそらく出だしを聞けばほとんどの方が
『聴いたことある!!』と思うでしょう。
テレビやCMでよく耳にしますよね。

ロマの音楽で始まる1部、
ハンガリー民謡が引用される
ゆったりとした2部、
激しいテンポの3部の3部構成で、
演奏時間は約8分です。

短い曲ですが、
ヴァイオリンの技巧がこれでもか!と
盛り込まれた一曲です。



次はヴィオラの曲です。

グリンカ作曲
ヴィオラソナタ ニ短調
(参考動画)

グリンカ(1804〜1857)はロシアの作曲家で
『近代ロシア音楽の父』と呼ばれています。

あまり馴染みのない作曲家かもしれませんが
歌劇『ルスランとリュドミラ』が有名で
序曲がオーケストラでよく演奏されます。
(参考動画)


ヴィオラソナタは
1825〜1828年に作曲された
グリンカが21〜24歳の時の作品です。

グリンカは1824〜1828年まで
運輸省で勤務していたので、
働きながらこの曲を作ったと言うのですから
驚きです。


子供の頃からピアノや歌を習っていて、
ヴィオラもひけたと言われています。

そのためかこの曲は
ヴィオラの音域を活かした
非常に歌心のあるロマンティックな旋律から
始まります。

少しこぶしの効いているような音楽でなので
日本人好みの旋律ではないでしょうか。


本当は3楽章構成にしたかったようですが、
2楽章までしか書かれませんでした。
2楽章も終結部は1931年に
別の作曲家によって補筆されています。

そのため、演奏会では1楽章のみ
演奏することもあります。

演奏時間は1楽章だけなら10分、
2楽章までひくと約16分です。

是非一度聴いてみてくださいね。


次回は近代音楽の
ヴァイオリン・ヴィオラの曲です。

それでは、また🌸