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音楽史③

こんにちは。

今回はロマン派の時代に起こった 
国民楽派についてです。


《国民楽派》

国民楽派とは19世紀中頃〜20世紀に
ナショナリズム(民族主義)音楽を作曲した
作曲家達です。


19世紀のヨーロッパは
小国の独立運動が活発な時代でした。

民族の統一・独立・発展を目指す
民族主義の運動が始まり、
芸術にも民族独自の文化を大切にする動きが
起こります。

古典派時代まで
音楽の中心はドイツ・イタリアでしたが、
ロマン派時代には各国の作曲家が
自国の民謡や歴史を題材とした音楽を作り、
これらの曲は各国の国民の愛国心を
刺激しました。


国民楽派に先駆けて
まずヨーロッパに広がったのは
ロマの音楽でした。

定住せずに各地を移動しながら生活していた
ロマ(ジプシー)の音楽を取り入れて、
ブラームスは『ハンガリー舞曲』
リストは『ハンガリー狂詩曲』を
作曲しました。

独特のエキゾチックな曲風は流行し、
これが国民楽派へと繋がっていきます。


ロシアには
作曲家集団『ロシア5人組』が発足します。

バラキレフ(1837〜1910)
キュイ(1835〜1918)
ムソルグスキー(1839〜1881)
ボロディン(1833〜1887)
リムスキー・コルサコフ(1844〜1908)
の5人です。

5人はドイツの模倣ではない、
ロシア独自の音楽の創造を目指しました。

ムソルグスキー『展覧会の絵』
ボロディン『ダッタン人の踊り』
リムスキー・コルサコフ『シエラザード』 
などが有名です。

同時期のロシアには
チャイコフスキー(1840〜1893)がいます。

しかし、彼は国民楽派ではなく、
ドイツのロマン派の音楽を追求しました。

ロシア5人組とチャイコフスキーは
創作活動においては対立していたようです。



チェコの国民楽派の有名な作曲家は
スメタナとドヴォルザークです。

スメタナ(1824〜1884)は
チェコの自然や歴史を題材にした楽曲を
作曲しています。

連作交響詩『我が祖国』の第二曲は
チェコを流れるモルダウ川を題材にした
『モルダウ』です。
日本でもとても人気のある曲ですね。

ドヴォルザーク(1841〜1904)は
チェコの民謡や舞曲を取り入れた楽曲を
作曲しています。


北欧では
フィンランドのシベリウス(1865〜1957)が
国民楽派として有名です。

フィンランドは当時ロシアの支配下にあり、
シベリウスの愛国心の強い楽曲は
熱狂的に支持されました。

交響詩『フィンランディア』は
フィンランドの第二の国歌と呼ばれ、
今でも愛されています。


今回紹介できた作曲家と楽曲は
ほんの一部ですが、
国民楽派の音楽によって
さらに音楽の形式は自由になり、
音楽は次の時代へと移り変わっていきます。

次回は、ロマン派以降の音楽についてです。

それでは、また🌸