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楽譜の記号(弦楽器特有の記号③)

こんにちは。

今回も
楽譜の弦楽器特有の記号についてです。


⑤sul ponticello

『スル ポンティチェロ』と読みます。


イタリア語で

sul    上で、上に
ponticello    駒

という意味なので

sul ponticello   で
『駒の上で』という意味になります。


通常、ヴァイオリンの弓は
駒と指板の間にあてて音を出しますが、
この記号が出てきたら
駒にかなり近いところに弓を当てます。

本当に駒の上をひくと音がしないので
弦の駒に一番近い場所をひきましょう。

演奏している時に、弓が駒の方へ滑って
耳障りな音が出てしまったことは
ありませんか?

この奏法は敢えてその音を出します。 
金属的な緊張感のある音を出したい時に
使われる奏法です。


駒の近くは弦が硬いので、
弓を強めに押さえて動かします。

オーケストラの曲の中ではトレモロなどの
細かい音でよく使われる奏法です。




sul ponticelloも
前回のcon sordinoとsenza sordino
と同じように、主にオーケストラの楽譜に
出てくる記号です。

オーケストラで演奏する人は略して
『スルポン』と呼んでいます(日本人限定)。


⑥sul tasto

『スル タスト』と読みます。

sul    上で、上に
tasto    指板

『指板の上で』という意味です。


この奏法はsul ponticelloとは逆に
指板の近くで弓を動かします。

柔らかい音や、pp(ピアニッシモ)などの
小さな音を出す時に使われます。

力を入れると良い音がしないので、
右手は優しく動かします。



ヴァイオリンは
弓を駒に近付ければ固い音
指板に近付ければ柔らかい音がします。

sul ponticelloとsul tastoは
その効果を使った奏法です。


普通にひいている時は
弓が駒や指板の方に滑ったりするのですが、
敢えてその場所でひこうとすると
なかなか難しいですよね。

この奏法を上手に行うには
弓をコントロールしなくてはいけません。

上手くできないという方は、
まずは駒と指板の真ん中で
弓を真っ直ぐ動かす練習をして、
少しずつ弓の位置をずらしていきましょう!

それでは、また🌸